まだタイトルは無い2

昼休み、風間が声をかけてきた。
「よう。昼飯くいにいかねえか。」
「おう。んじゃ、どこ行く。」
「さいきん、あたらしいカレー屋ができたんだ。うまいかどうかはわかんねえけど、いかねえか。」
「うえ、俺昨日の夜も今日の朝もカレーだったんだ。もうカレーはいいよ。」
「そっか。でもいいな。お前のよめさん、料理上手いんだろ。」
「どこで聞いたんだそんな話。まあうまいけどさ。」
「料理教室に通ってるらしいじゃないか。」
「また適当なうわさが流れてるな。ちがうよ。近所に料理が好きな人がいてさ。その人と仲いいもんで、しょっちゅう遊びに行ってるうちに覚えたんだよ。」
「似たようなもんじゃねえか。」
「似てねえよ。それより、早く食いに行かねえと、昼休みおわっちまうぞ。」
「そうだな、わかった。じゃ、どこにするか。カレーはだめだから、と。そばにするか。中村屋でいいよな。さいきん新メニューが増えたらしいし。」
「なんで食い物のことはそんな詳しいんだよ。よし、じゃ行くか。」