タイトル8

2005年3月29日 連載
昼休みに、風間に前行きそびれたカレー屋に誘われたので、行くことにした。
「えーっと、とりあえずビーフカレー。あんまからくないのね。」
「すいませんお客様、当店はからさの指定はできないのですが。お子様カレーならあまりからくありませんけど。」
「そうなの。じゃ、お子様カレー。」
「ただ、お子様カレーは、小学生以下の人のみになっております。量も少なめですし。」
「ならはじめから言わないでよ。いいじゃない別に。辛いカレーは苦手なんだ。量が少ないんなら、大盛りにするよ。」
「わかりました。では特別にお出しいたします。」
店員さんも観念したみたいだ。こいつはある程度の無理は通してしまう力を持ってるからな。でも、俺が恥ずかしいからちょっとは遠慮してくれよ。
「そちらのお客様は。」
おっと。
「じゃ、シーフードカレーで。」
にしても、なかなか雰囲気のいい店だな。まだ食べてないから味はわかんないけど、多分おいしいだろう。
「おい、坂田。」
「ん、何。」
「こないだ、お前のよめさん見かけたぞ。」
「お前顔知らないだろ。」
「前写真を見せてくれたじゃないか。」
「そうだったっけ。でも、よく覚えてたな。」
「昔から記憶力だけはいいんだ。ショッピングセンターの家庭菜園コーナーで、なんかいろいろ見てたな。
「ああ、ちょっとした家庭菜園セットを買ってきたんだ。自分で作った野菜を使って料理を作りたいとかなんとか。ベランダで作れる野菜なんてほとんどとれないぞっていったんだけどな。」
「ふーん。よめさんの料理好きもそこまできたか。やっぱうらやましいなお前。」
「何がさ。」
「毎日手料理が食えてよ。俺なんかしょっちゅうコンビニ弁当だぜ。文句なんていったらばちがあたる。」
「まあいいだろ、俺のことはさ。」
「まあいいけどさ。あ、きたみたいだ。」
まあ、風間のいうことももっともかもな。今は当たり前になってるけど、昔は俺だって風間とそんなにかわらなかった、てか、風間より悪かったくらいだ。一人暮らしをしているころは、栄養バランスなんて考えたこともなかったな。ものすごい適当な食生活だった。今はきちんとおいしく毎日食べれてる。おかげさまで健康だ。それだけあいつが考えてくれてるってことなんだろうな。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索