タイトル 16

2005年4月6日 連載
今日はこの辺でやめることにした。ほとんどろくな情報を得られていない気がするが仕方がない。なにしろ、伊勢のことをよく知っているやつがいないのだ。と、いうか伊勢はこの辺に友達と呼べるやつがいないみたいなのだ。そういや、俺が伊勢と知り合ったのも、後藤が声をかけて強引にサークルに連れてきたからだったな。俺たちと知り合ってからもあまりしゃべらないやつだったし、もし後藤が伊勢に声をかけなかったら、俺たちが伊勢に知り合うことはなかっただろう。だから、伊勢に友達ができていなくても不思議なことじゃない。大学のころも俺たちのサークルのメンバー以外に知り合いはいなかったみたいだし。今は、後藤の予約したビジネスホテルにいる。3人一部屋。27の男が三人で同じ部屋かよ。なんだかなー。俺はいすに座ってぼーっとしてる。星野は今日得た情報をノートパソコンに入力している。明日の計画を立てるつもりらしい。せめて星野がよく行くところとかわかればまだ計画がたてれたんだがな。仕方がない。とりあえず近所のスーパーにでも行ってみるか。ちなみに後藤はもう寝ている。運転したり起こったりでかなり疲れたんだろう。俺ももう寝ようかな。いや、ちょっとのどかわいたから外の自販機でジュースでも買ってこよう。
「あーあっと。うーん、ちょっと飲み物買いに行ってくるわ。」
「うん、わかった。外暗いから気をつけてね。この辺街灯が少ないみたいだから。」
「細かいとこチェックしてるな。大丈夫だよ。ガキじゃあるまいし。」
「うん。わかってるよ。でも嫌だよ。伊勢君に続いて坂田君までいなくなっちゃったら。人を探しにきて自分がいなくなっちゃったら冗談にもならないよ。」
「ないない。考えすぎだって。お前もほどほどにして早く寝たほうがいいぞ。」
「うーん、そうだけどさ。そうだ、僕もついてくよ。そしたら少しは安心だ。」
「いいって、いいって。」
「ダメ。何があるかわからないんだから。じゃ、僕もジュース買うよ。それならいいでしょ。」
「あー、はいはい。わかった、じゃ、行こうぜ。」
そんなわけで、俺たち2人はジュースを買いに出かけた。自販機はホテルのすぐ隣にあるはずだ。はずなんだが。
「あれ、ここに自販機なかったっけ。」
「変だな。たしかここにあったはずだよ。」
「うーん、どうだったか。まあはじめてきたところだしな。ちょっとくらい間違えることもある。」
「まあそうだね。仕方ないよ。」
「仕方ない、他の自販機を探すか。その辺にあるだろ。あーっと。」
あたりを見回す。50メーターくらい先に自販機を見つけた。まわりは田んぼばかりの中、ぽつんと立っている。
「あ、あった。ちょっと遠いけど行くか。」
「うん。」
ふう、見つかってよかった。さて何買うかな。コーヒーはやめとくか。コーラでいいかな。あー、でも今炭酸はきついかな。じゃ、オレンジジュースでいいか。あーあ、俺も何か飲んだらねるかなあ。明日も早いだろうし。ふぁーあ、まったく、慣れんことばかりすると疲れるよ、まったく。

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