そんなことを考えているうちに、夕飯を作る音が聞こえてきた。どうやら母が帰ってきたらしい。
「ひろしー。帰ってるの。」
「うん、帰ってる。―」
「今日塾じゃなかったっけー。」
そうなのか。てか、わかんねーよ。
「いや、違うー。」
まあそういうことにしとこう。
「そうだったっけ。でも塾じゃなくても、今しっかり勉強するのよー。あんた今年受験なんだからー。」
「うん、わかってるー。」
とりあえず返事しといた。
「じゃ、晩御飯できたらよぶからねー。」
受験か。俺にはそんなことより元の世界に戻る方法を探すほうが大切だ。勉強なんてやっている暇はないんだが…。でも、今何も探しようがないのも事実。あー、めんどくせえな。
食事中はほとんど俺の受験についての話題だった。父は帰っていなかったので、三人で食べた。妹に勉強の話題が振られたが、妹は半分無視していた。妹は俺よりはやく食べ終わると、ごちそうさまとだけいい、そそくさと部屋に戻っていった。そういやこのころ、妹は反抗期だったんだっけ。で、毎日こんな感じで家では過ごしていた。俺とはほとんどまともに会話してくれなかったような。
「まったくあの子は、何考えてんのかしら。」
母の機嫌が悪くなりそうだったので、俺もはやめに食事をすませて部屋に戻った。その後、シャワーを浴びて寝た。
その後しばらくは同じような日々が続いた。あいかわらず、何の手がかりもなく、ただ漠然と日々が過ぎていく。一度実力テストがあったが、俺の出来はいまいちだった。まだ結果は出ていないが。授業は一応受けてはいる。もう全部忘れていた。あいかわらず退屈だ。ほとんど理解できない。こんなに難しかったっけ。ただ、二年の教科書の範囲まではなぜかあるていど覚えていた。そう、当時の俺と同じくらい。
休み時間になり、トイレに入ろうとした俺は、出てきたやつにぶつかった。
「いてっ、何すんだよ。」
「あっ、ご、ごめん。」
ったく。ん、あれ、こいつどっかで、高校の同級生だろうけど、あれ、でも、高校のときこんなやついたっけ。そいつの顔をじっくりみてみる。細い目、分厚い唇、あれ、こいつもしかして、顔を近づけたら、そいつはにらまれたと思ったらしく、走って逃げていってしまった。でも、今のやつ、顔は若かったけど、いや、でもあいつが何でここにいるんだ。それでも、うーん、もしかして、あいつ、伊勢じゃないのか。
「ひろしー。帰ってるの。」
「うん、帰ってる。―」
「今日塾じゃなかったっけー。」
そうなのか。てか、わかんねーよ。
「いや、違うー。」
まあそういうことにしとこう。
「そうだったっけ。でも塾じゃなくても、今しっかり勉強するのよー。あんた今年受験なんだからー。」
「うん、わかってるー。」
とりあえず返事しといた。
「じゃ、晩御飯できたらよぶからねー。」
受験か。俺にはそんなことより元の世界に戻る方法を探すほうが大切だ。勉強なんてやっている暇はないんだが…。でも、今何も探しようがないのも事実。あー、めんどくせえな。
食事中はほとんど俺の受験についての話題だった。父は帰っていなかったので、三人で食べた。妹に勉強の話題が振られたが、妹は半分無視していた。妹は俺よりはやく食べ終わると、ごちそうさまとだけいい、そそくさと部屋に戻っていった。そういやこのころ、妹は反抗期だったんだっけ。で、毎日こんな感じで家では過ごしていた。俺とはほとんどまともに会話してくれなかったような。
「まったくあの子は、何考えてんのかしら。」
母の機嫌が悪くなりそうだったので、俺もはやめに食事をすませて部屋に戻った。その後、シャワーを浴びて寝た。
その後しばらくは同じような日々が続いた。あいかわらず、何の手がかりもなく、ただ漠然と日々が過ぎていく。一度実力テストがあったが、俺の出来はいまいちだった。まだ結果は出ていないが。授業は一応受けてはいる。もう全部忘れていた。あいかわらず退屈だ。ほとんど理解できない。こんなに難しかったっけ。ただ、二年の教科書の範囲まではなぜかあるていど覚えていた。そう、当時の俺と同じくらい。
休み時間になり、トイレに入ろうとした俺は、出てきたやつにぶつかった。
「いてっ、何すんだよ。」
「あっ、ご、ごめん。」
ったく。ん、あれ、こいつどっかで、高校の同級生だろうけど、あれ、でも、高校のときこんなやついたっけ。そいつの顔をじっくりみてみる。細い目、分厚い唇、あれ、こいつもしかして、顔を近づけたら、そいつはにらまれたと思ったらしく、走って逃げていってしまった。でも、今のやつ、顔は若かったけど、いや、でもあいつが何でここにいるんだ。それでも、うーん、もしかして、あいつ、伊勢じゃないのか。
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