TUGUMI(つぐみ)

2005年5月17日 読書
ISBN:4122018838 文庫 吉本 ばなな 中央公論社 1992/03 ¥480

中学生のころ読んで印象に残ってたんで、
最近7・8年ぶりにまた読んでみた。
もう語りつくされてるんだろうけど、ちょっと書いてみる。

個人的に、吉本ばななの最高傑作だと思う。

てか、僕が好きな要素がこれでもかと詰め込まれているから、
僕がこの本を好きにならないほうがおかしいのだが。

主人公のまりあと、いとこのつぐみを中心にした物語。

終わり方は、中学のころ読んだときにはなんだかわからなかったけど、
今ならなんとなくわかるって感じだ。なんじゃそら。

細かいことを言うなら罪の意識ってやつをもうちょい掘り下げてほしかったけど。

これだけじゃあれなんで、ついでだから個人的に思う、
吉本ばななの小説の特徴でもあげてみる。

・主人公が女の人で、たいてい学生か、仕事をしていない、もしくは休んでいる。
とにかく、小説の開始の地点では働いていない。

・主人公は、過去に幸せな経験をしているか、もしくは現在幸せである。
そして、そのことに主人公は気付いている。

・何かを失うことがテーマの場合が多い。

全部読んだわけじゃないので、なんともいえないけど、
この三つの要素のどれか一つは最低でも入っている気がする。

おそらく、休息と幸せと喪失が、吉本ばななの大きな要素なんだろう。

ひたすら不幸で一人きりで、毎日ぎりぎりで生きてて、
小説の終わりまでそれが続くような小説は、彼女の小説の中には多分無いと思う。
理由はわからないけど。多分、彼女はどうあっても幸せを見つけてしまう性格なんだろう。
だから、ことさら余計に、それを失うということが大きく感じるのかもしれない。

彼女の小説が、はじめから最後まで、どこか寂しいのは、そんな理由からだろうか。

以上。まあ、僕の解説を読んだってしかたないんで、また読んでみてください。

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