黒いブーツ 〜oh my friend 〜 / この風に吹かれながら
2005年5月22日 音楽
この風に吹かれながら(ライヴ)
黒いブーツ~oh my friend(インストゥルメンタル) ※〈HDCD〉
この曲を一人で聴くのは非常にきつい。
最近久しぶりにたまたまきいたのだが、
世の中に上手くなじめない少年と、
彼のおそらくたった一人の友達である主人公。
そしてその母親の『またきてね』。
これだけでももう僕にはかなりきつい。
この設定を勝手に膨らませると、もっときつい。
そんなわけで想像。
主人公と少年は確かに友達だ。
多分、幼馴染だ。
少年についてある程度詳しいことも知ってるし。
ただ、すごい仲がいいわけではない。
一番仲がいい友達かと聞かれたら、
主人公は迷うだろう。
主人公は普段は別の友達と遊んでいる。
その友達はいうなら『普通』の友達で、
クラスにいくつかあるグループの中の一つ。
なんだかんだいってもいいやつばかりだ。
学校でも学校以外でも当たり前のように
仲良く冗談をいいあったりしながら遊んでいる。
そんな毎日に主人公は満足していて、
それなりに楽しい毎日を送っている。
そんな毎日の中で主人公は本当にたまに、
誰にも見つからないように一人だけで少年の家に遊びに行く。
普段の仲間はこの2人が中のいいことを知らない。
なぜなら、普段の仲間が少年とかかわらないのと同じように、
主人公も仲間と一緒にいるときは少年とかかわらないようにしている。
『何を考えているのかわからない、いつも一人の変なやつ』とは関わらないこと、
それがこの集団に所属し、『それなりに楽しい生活』を送るための
暗黙のルールになってしまっているからだ。
だから主人公が少年の家に行くときには、
誰にも見つかってはいけない。
見つかったら、自分も『変なやつ』になり、少年と同じようになりかねないと、
思い込んでしまっているからだ。
さらに、主人公はそんなあやふやな中でも、それなりに楽しいので、
普段は少年のことなど忘れてしまっている。
そして、時々ふと思い出したときに激しい自己嫌悪に襲われる。
主人公が少年の家に行くのは、そんなときたまたま一人きりだったときだ。
だから、主人公が少年の家に行く機会は少なくなる。
それこそ、少年の母親が、もう来てくれないんじゃないかと心配して、
さびしそうに『またきてね』といってしまうくらいの頻度だ。
主人公と少年の友情を心配する母親。
他の家に遊びに行っても、どこの家族もさびしそうにそんなことは言わない。
主人公が遊びに来ても、少年は無愛想だ。
内心では喜んでいるけど、どうしてもそうなってしまう。
たいして話が盛り上がるわけでもないし、
ただお互い漫画を読むだけで終わるような日もある。
ひたすら気まずいだけって日もある。
それでも、二人ともなんだかんだでその時間を大事にしている。
主人公は、仲間内で少年がどう思われているかなんていわないし、
少年も、本当は気付いているけど、そのことにはふれないようにしてる。
主人公の中には、『こいつを救えるのは自分なのになぜ何もしようとしないんだ』という
思いと、『こいつの友達は自分だけだから独占したい』という相反した思いがある。
後者の思いは、主人公がはっきりとは自覚していないけど、
心のどこかで働いて、相乗効果でときどきすさまじい自己嫌悪を生み出す。
少年はあまり自分のことについて話さない。
でも主人公は、いつも玄関で見る黒いとんがりブーツに、
少年の思いを汲み取る。
勝手な想像だけど、主人公には確信があった。
二人の間にある、
『暗がりや町並みで走り出すための自分だけの力がほしい』
という感情に重ねて、また主人公は少年の家に遊びに行くのだ。
・追記
歌詞をうろ覚えの状態で書いてたもんで地味に間違ってるとこがあるな。
『町並み』じゃなくて『人ごみ』だし。
あと、完全に内緒ってわけでもないみたい。
だけど、やっぱり『普段の仲間』には内緒だろう。
主人公が少年に紹介するのは、『普段の仲間』とは遠くて、
彼らとはおそらくかかわることがないであろう人たちで、
隣の学校に通う中学の同級生とかだろう。
そうすることで、主人公は自己の保身をしながら、
少年の救済を行っている。自己満足もあるかもしれない。
（結果的には少年の救済は成功しているとはいえないが。）
あと、愛想を尽かしかけてしまうのは、それからくる疲労が原因であり、
本当の意味で愛想を尽かすことはこの場合ないだろう。
以上、考察終わり。
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